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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病硝子体手術後の残存網膜剥離が再出血に与える影響

著者: 小泉閑1 池田恒彦1 澤浩1 中村富子2 石田美幸3 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2愛生会山科病院眼科 3京都第一赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1201 - P.1205

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 過去34か月間に硝子体手術を行った増殖糖尿病網膜症206眼のうち,黄斑外牽引性網膜剥離が49眼にあった。これに対して,手術終了時に気圧伸展網膜復位術を28眼(強制復位群)に行い,21眼では硝子体腔内に灌流液が充満したままとした(自然復位群)。術後に硝子体再出血が11眼にあった。それぞれ28眼中5眼(18%)と21眼中6眼(29%)であった。49眼のうち38眼では,術前の網膜剥離が血管アーケードに囲まれる面積の半分以上を占めていた。この38眼中,術後再出血は強制復位群27眼中5眼(19%)と自然復位群11眼中6眼(55%)に起こり,両群間に有意差があった(p<0.05)。広範な牽引性網膜剥離のある増殖糖尿病網膜症への硝子体手術では,気圧伸展網膜復位術を行うことが望ましいと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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