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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻7号

1998年07月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

ルビーレーザー誤照射による眼障害

著者: 岸本直子1 今泉正仁1 完山英子1 北村拓也1 板垣隆1

所属機関: 1市立吹田市民病院眼科

ページ範囲:P.1229 - P.1233

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 35歳の医療器械の技術者が皮膚科用のQスイッチ・ルビーレーザーを保護眼鏡なしで点検中,右眼でレーザー光を直視した。波長694nm,照射野径6mm,照射時間25nsec,照射出力10J/cm2の1回照射と推定された。翌日の受診時の右眼矯正視力は0.07であり,眼圧36mmHgで,角膜浮腫,前房の炎症細胞,虹彩腫脹,水晶体の上皮混濁,硝子体出血,中心窩の上方に浮腫を伴う網膜前出血があった。1週後に眼圧は正常化し,網膜の浮腫と出血,硝子体出血が軽減した。2週後に凝固部に網膜円孔と網膜上膜が生じた。6か月後の右眼視力は0.8であった。プレドニゾロンの全身投与が,網脈絡膜の瘢痕化,黄斑皺襞進展と網膜下新生血管発生の抑制に有効であると判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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