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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻7号

1998年07月発行

臨床報告

片眼視力の低下をきたした両眼性Purtscher網膜症の1例

著者: 錦織修道12 岡知巳2 田淵昭雄2

所属機関: 1明世社白井病院 2川崎医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1234 - P.1238

文献概要

 20歳男性が交通事故で長管骨を骨折した。左眼に視野狭窄が生じ,受傷から11日後に受診した。矯正視力は右0.8,左0.03であった。右眼底には綿花様白斑が散在し,左眼底には網膜静脈閉塞症様の所見と桜実黄斑があった。螢光造影で,左眼に網膜静脈閉塞と黄斑周囲の毛細血管閉塞があった。右眼の螢光造影所見は正常であった。フラッシュ網膜電図は両眼とも正常であった。フリッカー網膜電図で,右眼に軽度の振幅低下があったが,受傷から22日後に正常化し,視力が1.5に回復した。受傷から2か月後の左眼視力は0.09であった。本例は典型的なPurtscher網膜症であり,全身打撲による急激な逆行圧または白血球凝集による血管閉塞と,これによる網膜静脈圧の上昇が原因と推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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