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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻7号

1998年07月発行

文献概要

臨床報告

若年性関節リウマチに併発した白内障に対する手術

著者: 岩﨑真理子1 野田徹1 阿部聡1 清水敬一郎1 秋山健一2

所属機関: 1国立東京第二病院眼科 2秋山眼科

ページ範囲:P.1245 - P.1248

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 若年性関節リウマチに併発した白内障に対して,水晶体切除術,前部硝子体切除術を行い良好な経過を得た8歳,女児の1例を経験した。2歳時に単関節型若年性関節リウマチと診断され,その9か月後に右眼に虹彩炎が生じ,ステロイド薬の内服と点眼を行ったが虹彩炎は持続した。8歳時に膨隆虹彩になり,レーザー虹彩切開術でいったん寛解したが,その4週後に眼圧が再上昇して当科を受診した。視力は右手動弁,左1.0であり,右眼に虹彩後癒着と成熟白内障があった。左眼は正常であった。全身麻酔下で右眼に白内障手術を行った。強角膜切開創経由で虹彩後癒着を剥離し,水晶体を吸引したのち,毛様体扁平部経由で水晶体嚢と前部硝子体をできるだけ完全に切除した。術後経過は良好で,眼圧は正常化し,0.2の矯正視力が12日後に得られた。若年性関節リウマチに伴う白内障の手術においては,cyclitic membraneの形成や続発する予後不良の低眼圧を防ぐため,完全な水晶体切除および硝子体基底部の前部硝子体を十分に切除することが重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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