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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻8号

1998年08月発行

文献概要

臨床報告

上顎洞炎に続発した眼窩部ガス壊疽の1例

著者: 大谷久遠1 渋谷潔1 難波克彦1

所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院眼科

ページ範囲:P.1352 - P.1357

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 48歳男性の上顎洞炎に続発した非クロストリジウム性眼窩部ガス壊疽の症例を報告した。症例は右頬部痛,右眼瞼腫脹,右視力低下のため当科を受診した。初診時,右眼圧上昇,右中心フリッカー値と右対光反射の低下,右眼球結膜の浮腫・充血,右眼底に網膜静脈の怒張・蛇行と網膜出血を認めた。CTで右上顎洞内の陰影と右眼窩内および右眼窩周囲皮下組織に泡沫状のガス像がみられた。本症例の起炎菌として非クロストリジウム性嫌気性菌を想定し,早期に上顎洞根本術,眼窩開放術などの好気的外科処置を行い,リンコマイシン系を中心とした抗生物質を投与したところ,後遺症を残さず治癒することができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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