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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻8号

1998年08月発行

文献概要

臨床報告

先天前眼部形成不全の臨床所見

著者: 葉田野悦子1 仁科幸子1 東範行1

所属機関: 1国立小児病院眼科

ページ範囲:P.1383 - P.1386

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 先天前眼部形成異常48例63眼を角膜の混濁部位によって3群に分類し,臨床所見を比較検討した。中央のみ混濁10例14眼(A群),周辺のみ混濁5例6眼(B群),全体の混濁または中央から周辺までの混濁33例45眼(C群)である。前眼部ぶどう腫11例11眼がC群に含まれていた。前眼部ぶどう腫を除くと各群とも小角膜であった。緑内障の合併が2眼にあった。角膜輪部の形成異常が33例44眼(70%)にあった。眼底の異常が7例にあり,視神経萎縮1眼,視神経低形成3眼,黄斑低形成2眼,コロボーマ1眼であった。全身合併症が5例にあり,多発奇形,上顎骨形成不全,歯牙形成不全,心室中隔欠損,小頭症各1例であった。従来Peters奇形などと診断されていた前眼部先天異常には,障害が眼球全体に及ぶ事例のあることが明らかになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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