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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻9号

1998年09月発行

特集 OCT

各論

網膜静脈分枝閉塞症のOCT像

著者: 林篤志1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1527 - P.1530

文献概要

 黄斑部を含む網膜静脈分枝閉塞症の2例について,OCTを用いた網膜の形態的変化の検討を加えて経過観察を行った。1例は上耳側の陳旧性網膜静脈分枝閉塞症で,網膜光凝固治療により網膜静脈閉塞領域に認められた網膜浮腫が著明に改善し,浮腫で肥厚した中心窩網膜厚が正常者の網膜厚近くまで改善するとともに視力改善が得られた。また,他の1例は,下耳側の網膜静脈分枝閉塞症で,網膜静脈閉塞領域に著明な網膜浮腫に加えて滲出性網膜剥離の存在をOCT像で認め,経過観察中に乳頭上新生血管および虹彩ルベオーシスを生じた。これらの症例では,OCT所見が従来の検査法に加えて,網膜の形態的変化を示すことから治療経過の把握および予後の推定に有用であることを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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