icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻9号

1998年09月発行

特集 OCT

各論

眼底病変に対する光凝固治療前後の光学的干渉断層計所見

著者: 植田真未1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1543 - P.1547

文献概要

 眼底病変に対するレーザー光凝固治療前後に光学的干渉断層計(Optical coherence tomography:OCT)撮影を行い,その治療効果の判定と組織に与える影響について検討した。加齢黄斑変性では脈絡膜新生血管板は網膜色素上皮・脈絡膜毛細血管板に連続する高反射帯としてみられ,レーザー治療によりその縮小がみられた。網膜静脈閉塞症に対する中等度凝固では,直後には白色の凝固斑を示した部で網膜内層に強い反射がみられ,その後方には強い後方散乱がみられた。また,時間が経過すると内層の強い反射は消失し,網膜外層および網膜色素上皮・脈絡膜毛細血管板の反射が厚くなった。中心性漿液性網脈絡膜症に対する弱度凝固斑は検出されなかったが,黄斑部の漿液性網膜剥離の消失と網膜の変化がOCT像で明瞭に判読できた。OCTは疾患の治療効果の判定や,光凝固後早期からの組織変化を観察できる非常に有益な検査法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら