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特集 OCT
各論
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眼底病変に対するレーザー光凝固治療前後に光学的干渉断層計(Optical coherence tomography:OCT)撮影を行い,その治療効果の判定と組織に与える影響について検討した。加齢黄斑変性では脈絡膜新生血管板は網膜色素上皮・脈絡膜毛細血管板に連続する高反射帯としてみられ,レーザー治療によりその縮小がみられた。網膜静脈閉塞症に対する中等度凝固では,直後には白色の凝固斑を示した部で網膜内層に強い反射がみられ,その後方には強い後方散乱がみられた。また,時間が経過すると内層の強い反射は消失し,網膜外層および網膜色素上皮・脈絡膜毛細血管板の反射が厚くなった。中心性漿液性網脈絡膜症に対する弱度凝固斑は検出されなかったが,黄斑部の漿液性網膜剥離の消失と網膜の変化がOCT像で明瞭に判読できた。OCTは疾患の治療効果の判定や,光凝固後早期からの組織変化を観察できる非常に有益な検査法である。
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