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特集 OCT
各論
文献概要
ベーチェット病2例3眼で,網膜断層像と網膜電気応答の関係を,光学的干渉断層計(OCT)と多局所網膜電図(mERG)で検索した。滲出性網膜剥離の発作があった1例1眼では,OCTで網膜剥離と白血球の浸潤に一致した高反射域があった。視力は1.0から0.03に低下し,中心窩の電気応答が消失していた。網膜が復位した10日後も,視力と電気応答の回復はなかつた。3か月後に視力は0.2となり,電気応答もわずかに回復した。過去の発作により視力が30cm指数弁になった1例2眼では10CTでは,1眼に嚢胞様黄斑浮腫があり,他眼は正常の断層像を示した。mERGでは両眼とも中心窩の電気応答が消失していた。ベーチェット病では,網膜が復位したのちも,電気応答の低下と視力障害を残すことが明らかになった。これは,発作時の白血球による視細胞の破壊に起因すると考えられる。
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