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臨床報告
寛解した網膜中心静脈閉塞症での脈絡膜への静脈血流出路
著者: 高橋京一1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1617 - P.1624
文献購入ページに移動 網膜中心静脈閉塞症が寛解した後の血行動態を知るために,寛解した網膜中心静脈閉塞症17眼(虚血型7眼,非虚血型10眼)を検索した。全例にインドシアニングリーン(lCG)螢光眼底造影を行い,パノラマ網脈絡膜血管像を作成して,乳頭部の血流動態と眼底広範囲の網脈絡膜の血管構築の変化を観察した。乳頭上にループ状血管のあった14眼では,ループ状血管を介して網膜静脈と脈絡膜静脈の間に,側副血行路形成が全例で検出された。網膜静脈血はループ状血管を経由して拡張した脈絡膜静脈に流出し,最終的には主に鼻側の渦静脈に還流されていた。側副血行路の数は虚血型では2〜6本,非虚血型では1〜2本であった。1眼で側副血行路の形成前後のICG像をとらえることができた。ループ状血管のない3眼では側副血行路の形成はなかった。網膜中心静脈閉塞症が寛解する機序は単一ではないが,乳頭にループ状血管のある例では,脈絡膜への側副血行路がその寛解の主因であると結論される。
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