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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

臨床報告

格子状変性のある裂孔原性網膜剥離と後部硝子体剥離

著者: 三浦文英1 横塚健一1 南部真一1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.55 - P.60

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 格子状変性を有する裂孔原性網膜剥離422眼について,裂孔の形態と後部硝子体剥離との関係を検索した。年齢分布は,20代に小さな山と60代に大きな山のある2峰性を示した。30歳以下(67眼)では,硝子体は87%で未剥離で,ほとんどが萎縮円孔であった。屈折は近視(平均−7D)傾向を示した。剥離の高さは一般に低かった。51歳以上(239眼)では,硝子体は90%で剥離していた。原因病巣は,弁状裂孔が多く,正視で,剥離が高いことを特徴とした。31〜50歳では両者の中間に位置した。網膜剥離は,高齢者では硝子体剥離に伴う網膜裂孔から生じること,若年者では硝子体が未剥離の状態で発症することが明らかになった。後者の場合,網膜下液の供給源は液化硝子体であり,格子状変性前方の硝子体液化腔が,それが萎縮円孔に達する通路となると推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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