icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻10号

1999年09月発行

文献概要

特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている 外来診療のポイント(主訴から診断まで)—私はこうしている

眼精疲労

著者: 梶田雅義1

所属機関: 1福島県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.95 - P.98

文献購入ページに移動
 眼精疲労とは「眼を持続して使ったとき,健常者では疲れない程度の作業でも疲れを生じ,眼の重圧感,頭重感,視力低下,ときには複視などを訴え,はなはだしいときには悪心・嘔吐まできたす状態」をいう。本症は眼の使用状態,眼の能力および眼あるいは精神的な耐える力の三者がバランスを崩したときに発症すると考えられる(図1)。
 エレクトロニクスの進歩によって,小型液晶画面を用いたゲーム機やシステム手帳,ワープロ,パソコンなどが汎用され,視覚情報量はすでに飽和状態にある。眼精疲労の原因として,屈折異常の不適正矯正は依然として大きな割合を占めている,眼が疲れるから眼鏡を新しくしたという患者の多くは,完全矯正に調整された,あるいは以前より近視寄りに調整された眼鏡を装用している。患者の作業環境を全く無視した眼鏡の処方が眼精疲労をさらに助長するが,これに気づかれないまま苦しみ続けている患者に遭遇する機会は多い。眼科医として眼が原因の眼精疲労は見逃してはならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?