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特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている 集学的治療に必要な他科の知識
臓器移植—いま,腎移植では
著者: 平野哲夫1
所属機関: 1市立札幌病院腎移植科
ページ範囲:P.245 - P.247
文献購入ページに移動腎臓移植は他の臓器移植に比べいくつかの違いがある。第1に腎臓移植への取り組みは約35年の歴史を持ち,わが国の慢性腎不全による透析患者17万5,000名の存在が示す人工透析療法の進歩と相俟って広く根治的治療法として確立していることである。第2に,ヒトの2つの腎臓の1腎を提供する生体腎提供が可能である(わが国では献腎移植〔死体腎移植〕が少ないこともあり,年間約600例実施されている腎移植の約70%が血縁生体腎提供)。第3に腎臓移植では臓器の灌流・冷却,時間の制約など一定の条件は必須ではあるが,必ずしも脳死下提供だけでなく心停止後の提供も可能である。第4に慢性腎不全の治療として透析療法と腎移植とが車の両輪になっており,腎移植後機能廃絶の際は再透析で救命・社会復帰および再移植への待機が可能である。
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