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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻10号

1999年09月発行

特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている

眼科外来診療の周辺

中途失明者への指導

著者: 簗島謙次1

所属機関: 1国立リハビリテーションセンター病院眼科

ページ範囲:P.280 - P.281

文献概要

就労の継続をさぐる
 中途失明者の社会復帰は晴眼者でさえ今日再就職が困難なように,ほとんど不可能といっても過言ではない。そのために就労中の患者が視覚的に問題が生じ就労継続が困難な場合には,治療と並行して問題解決に当たることが重要である。患者自身で解決できなければ専門家と連絡を取り,休職となり,やがて失業というふうにならないように援助する。注意しなければならないことは,眼の状況だけに眼科医がとらわれ,患者も通院治療に期待を掛けているうちに,会社を休みがちとなり,休職へと追い込まれるケースが多いことである。通院中に医師は患者に常に会社に行っているかどうかを聞き,もしも出社していないようであるならば,その理由についてよく聞く必要がある。
 例えば糖尿病網膜症患者は,症状が一定せず視力が変動し,仕事ができたり,できなかったりする。短期的に視力の改善が見込まれる場合には自然経過に任せてもよいが,回復の可能性が期待できない場合にはいつまでも患者を治療通院させるのではなく,社会復帰を最優先に必要な手続きを行い,並行して治療を行うことが重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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