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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻11号

1999年10月発行

文献概要

臨床報告

抗ヒト好中球細胞質抗体関連腎炎に伴った網膜血管炎の1症例

著者: 野村美香1 藤尾直樹2 石黒俊哉3 廣川博之4

所属機関: 1ふらの西病院眼科 2旭川赤十字病院眼科 3旭川赤十字病院内科 4旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1747 - P.1751

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 56歳男性が,10日前からの左眼視力低下で受診した。右眼は4年前に,網膜中心静脈閉塞症に続発した硝子体出血に対して硝子体手術を受けていた。矯正視力は右0.02,左0.05であつた。右眼眼底に広範な網脈絡膜萎縮,左眼上方の2象限に出血を伴う網膜血管炎があった。全身検査で腎機能が低下し,抗ヒト好中球細胞質抗体myeloperoxidase-antrneutrophil cytoplasmic antibody(MPO-ANCA)が高値であった。腎生検所見と合わせて,ANCA関連腎炎と診断した。内科治療に伴ってANCA抗体値が低下し,左眼眼底所見が改善し,左眼視力は最終的に0.8になった。本症例では,網膜血管炎にANCA関連血管炎が関与していることが推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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