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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻11号

1999年10月発行

臨床報告

脈絡膜欠損に水晶体脱臼と網膜剥離を合併した1例

著者: 土井麻里1 池田恒彦2 小泉閑3 安原徹3 中村富子4

所属機関: 1堀川病院眼科 2大阪医科大学眼科学教室 3京都府立医科大学眼科学教室 4愛生会山科病院眼科

ページ範囲:P.1767 - P.1770

文献概要

 鈍的外傷が原因で水晶体脱臼を生じた後に,裂孔原性網膜剥離を併発した脈絡膜欠損の1例を報告した。症例は42歳男性で,網膜剥離に対して硝子体手術を行った。術中所見として,脈絡膜欠損部に隣接した耳側網膜に膜状の硝子体癒着があり,同部位に子午線方向のスリット状の裂孔を認めた。脱臼水晶体はこの硝子体膜上に浮遊しており,周囲の網膜を間接的に牽引していた。手術は,経毛様体扁平部水晶体切除,硝子体切除,経強膜冷凍凝固,輪状締結,ガスタンポナーデを行い網膜の復位を得た。本症例では,脱臼水晶体による異常な硝子体牽引が裂孔形成,網膜剥離発症に関与している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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