icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻11号

1999年10月発行

文献概要

臨床報告

小切開眼内レンズ挿入眼の前嚢切開の大きさと前嚢収縮

著者: 吉田紳一郎1 松島博之1 高橋和晃1 小原喜隆1 西尾正哉2

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室 2獨協医科大学越谷病院眼科

ページ範囲:P.1771 - P.1774

文献購入ページに移動
 小切開眼内レンズ(IOL)挿入眼90眼について前嚢切開の大きさと前嚢収縮の関係を検索した。前嚢切開は連続円形破嚢(CCC)で行い,超音波乳化吸引とIOLの嚢内固定を行った。IOLには,5.5mmPMMA,6.0mmアクリル,6.0mmシリコーンのいずれかを用いた。前嚢切開窓の面積は,術後次第に減少した。術1週間後を基準とするとき,術3年後の減少率は,PMMAで15.1%,アクリルで4.1%,シリコーンで7.9%であり,PMMAでは他2者よりも有意に高かった。術1週間後の前嚢切開が径6.0mm (28.3mm2)以上であるとき,減少率はPMMAで18.4%であり,アクリルでの3.4%とシリコーンでの4.4%よりも有意に高かった。6.0mm未満のときには,各IOLの間に差はなく,前嚢収縮は切開縁がIOLの光学部の外方にあるときに生じやすかった。前嚢収縮を予防するには,前嚢切開の大きさがIOLの光学直径よりもやや小さい5.5mm程度が妥当である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?