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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻11号

1999年10月発行

文献概要

臨床報告

眼窩内への異物刺入による視神経損傷の1例

著者: 多鹿三和子1 中嶋順子1 青木佳子1 石田洋一1 西田保裕1 可児一孝1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1799 - P.1802

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 13歳男児が転倒し,竹の棒が左眼窩下縁で貫通した。その直後に受診した。左眼視力は零で,瞳孔が散大し,対光反応が欠如していた。磁気共鳴画像検査(MRI)で左眼の視神経腫大,球後出血,6mmの眼球突出があった。異物は検出されなかった。副腎皮質ステロイド剤の全身投与を開始し,その直後に光覚弁となり,受傷6日後に0.1,10日後に0.3,最終的に0.6の視力が得られた。穿孔性異物で視神経が直接損傷し,光覚が消失していても,ステロイド剤投与で視機能が回復した例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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