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臨床報告
文献概要
38歳男性が左眼霧視で受診した。左眼には虹彩炎と硝子体混濁があり,両眼の網膜静脈に沿って白色浸潤があった。眼サルコイドーシスとして副腎皮質ステロイド薬の全身投与を行った。3か月後に網膜血管炎が悪化し,左眼にドライアイが生じた。初診から7年後に,血清Epstein-Barrウイルス(EBV)のIgG抗体価が上昇した。アシクロビルの内服を開始し,左眼に硝子体切除術を行った。硝子体液からEBVウイルス核酸が検出された。以後,血清抗体価は低下し,初診から10年を経過した現在,眼内炎は沈静化し,良好な視力を保っている。両眼性肉芽腫性網膜ぶどう膜炎の原因として,EBV感染が疑われた。
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