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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻12号

1999年11月発行

文献概要

臨床報告

ガス注入による黄斑下血腫移動術が有効であった1例

著者: 緒方恭子1 桂弘1 岩崎真理子1 見好貴公1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院眼科

ページ範囲:P.1883 - P.1887

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 ガス注入による移動術が有効であった加齢黄斑変性症による黄斑下血腫の1例を報告した。症例は57歳の女性。右眼の中心暗点を自覚後5日目に受診した。右眼の矯正視力は0.3で,眼底検査で黄斑下血腫を認めた。SF6ガス(0.5ml)を硝子体腔に注入し,腹臥位を指示した。術後3日目に出血は下方に移動し,6日目には視力は0.6に改善した。後部硝子体剥離が生じたが,網膜裂孔は認めなかった。2か月後に出血は大部分吸収され,螢光眼底撮影にて認めた脈絡膜新生血管に対しレーザー光凝固を施行した。ガス注入3か月後には,視力は1.2まで改善した。黄斑下血腫に対する硝子体腔内ガス注入による血腫移動術は有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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