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連載 眼の組織・病理アトラス・148
側頭動脈炎
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2南カリフォルニア大学眼科学教室
ページ範囲:P.128 - P.129
文献購入ページに移動 側頭動脈炎temporal arteritisは,巨細胞動脈炎giant cell arteritis,あるいは頭蓋動脈炎cranialarteritisとも呼ばれる原因不明の疾患で,50歳台以上の高齢者に発症する。とくに頸動脈とその分枝の中動脈にみられる閉塞性動脈炎である。
発症は緩徐で,いつ発症したのか不明なことが多い。一般に,眼症状が発現する1〜4週間前に全身症状が出現し,数週間後に突然の視力障害を自覚する。側頭部および後頭部の頭痛,側頭部皮膚および頭皮の過敏性,発熱,食欲不振,倦怠などを訴える。側頭部皮膚の過敏性と側頭動脈の怒張蛇行から,本症と気づかれることが多い。血沈の亢進は有力な診断根拠になる。逆に,全身症状が出現する前に眼症状のみがみられる例では,側頭動脈を生検すると,動脈炎が証明されることがある。これを潜伏側頭動脈炎occult temporal arteritisと呼ぶ。
発症は緩徐で,いつ発症したのか不明なことが多い。一般に,眼症状が発現する1〜4週間前に全身症状が出現し,数週間後に突然の視力障害を自覚する。側頭部および後頭部の頭痛,側頭部皮膚および頭皮の過敏性,発熱,食欲不振,倦怠などを訴える。側頭部皮膚の過敏性と側頭動脈の怒張蛇行から,本症と気づかれることが多い。血沈の亢進は有力な診断根拠になる。逆に,全身症状が出現する前に眼症状のみがみられる例では,側頭動脈を生検すると,動脈炎が証明されることがある。これを潜伏側頭動脈炎occult temporal arteritisと呼ぶ。
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