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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻2号

1999年02月発行

今月の表紙

酵母型真菌による白内障手術後眼内炎

著者: 内尾英一1 大野重昭1

所属機関: 1横浜市立大学眼科

ページ範囲:P.132 - P.132

文献概要

 白内障手術後眼内炎は,通常急性の経過をとり,細菌によることが多い。良好な視力を得るために早期の硝子体手術が行われているが,真菌による術後眼内炎の報告は稀である。
 症例は70歳,特に内科的疾患のない男性で,超音波水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術後3年目に硝子体混濁が生じた。10か月経過しても改善せず,軽度の虹彩毛様体炎および眼内レンズ辺縁に沈着物(上図)がみられた。眼底下方に網膜剥離もみられたために硝子体手術を行った。原因裂孔は9時にあり,摘出された眼内レンズ表面から走査型電子顕微鏡にて酵母型真菌が同定された(下図,表紙)。術前および術中に採取された前房水および硝子体からは細菌・真菌は分離されなかった。術後,網膜は復位した。白内障手術後眼内炎の病因には,真菌も考慮する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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