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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

臨床報告

眼球突出と複視で発見された急性骨髄性白血病の1例

著者: 西野和明1 大塚賢二2 五十嵐保男2 鈴木信宏3 母坪智行3 三浦純一3 工藤亨3

所属機関: 1医療法人社団ひとみ会回明堂眼科医院 2札幌医科大学眼科学教室 3札幌医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.157 - P.161

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 左眼の眼球突出と複視を主訴として眼科を初診した,急性得髄性白血病の1例を報告した。患者は15歳の男児で,初診時に,左上眼瞼の腫脹と眼球突出および左眼の上転制限がみられた。磁気共鳴画像(MRI)を行ったところ,冠状断撮影で左眼の上眼瞼挙筋と眼窩上壁の間に,外眼筋とほぼ信号強度が同一な腫瘤陰影がみられ,眼球を下方に圧排していた。また右眼にも左眼より小さな腫瘤陰影が,同じ部位にみられた。左眼の視神経に沿った矢状断撮影では,視神経の腫大と上顎洞の上部に腫瘤陰影がみられた。入院中,原因不明の発熱が持続したため,小児科を受診したところ。右下肺野に異常陰影がみられ,血液検査および胃髄穿刺にて,French-American-British (FAB)分類でM2の急性骨髄性白血病と診断され,本症の眼窩および上顎洞の腫瘤性病変は緑色腫(chloroma)と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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