文献詳細
臨床報告
文献概要
57歳男性で,視力低下が初発症状の腎原発全身性転移癌の1症例を報告した。初診日の1週間前に突然左眼の視力喪失を訴えた。原発巣の症状は全くなかったが,既に全身の骨および脳に転移しており,腫瘍による視神経の直接圧迫による視力低下と考えた。以後,徐々に重篤な全身症状が出現し,患者の希望により放射線療法を行った。放射線療法施行後MRIで腫瘍は明らかに増大しており,放射線療法の効果はなかったが,ターミナルケアの場面では,患者のquality of lifeの向上を第一に,治療方法を選択することが重要であると考えられる。
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