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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植術に対するシクロスポリン全身投与の長期予後

著者: 井上賢治1 木村内子1 天野史郎1 佐藤孜1 藤田南都也1 加賀谷文絵1 加治優一1 水流忠彦2 新家眞1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.183 - P.187

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 拒絶反応のハイリスクと考えられる全層角膜移植術例26名27眼に対し,シクロスポリン全身投与を術後平均5.4か月行い,長期予後と副作用をシクロスポリン不使用の対照群(57名57眼)と比較した。シクロスポリン投与中に内皮型拒絶反応が2例,中止後に6例出現した。拒絶反応非発生率はシクロスポリン投与群,対照群間に有意差がなく,移植片透明治癒率はシクロスポリン投与群で有意に低下していた。一過性BUNまたはクレアチニン値上昇が7例,GOTまたはGPT値上昇が4例あったが,重篤な副作用はなかった。短期的なシクロスポリン全身投与は,ハイリスク全層角膜移植例に対し拒絶反応抑制および透明性維持への長期効果を示さなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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