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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻2号

1999年02月発行

臨床報告

浅前房を伴わない原田病患者の毛様体脈絡膜剥離

著者: 三浦真二1 高木均1 種村舞1 岡本好夫1 喜多美穂里1 小椋祐一郎2

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科視覚病態学教室 2名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.203 - P.207

文献概要

 背景:原田病では,毛様体脈絡膜剥離が超音波顕微鏡(ultrasound biomicroscope:UBM)で高頻度に観察され,これが浅前房の原因であるとされている。
 症例:原田病の3症例6眼を副腎皮質ステロイドのパルス療法前後でUBMで検索した。全例で前房深度は正常であった。全例に眼底後極部の漿液性網膜剥離があり,虹彩炎は1例2眼のみにあった。
 所見:急性期では,検眼鏡的には観察できない毛様体脈絡膜剥離がUBMで同定された。副腎皮質ステロイド療法で網膜剥離が寛解した時期では,毛様体脈絡膜剥離も消失していた。
 結論:原田病の急性期では,前房深度が正常であっても,毛様体脈絡膜剥離が好発する。UBMを使って脈絡膜上腔の滲出の状態を検索することが,原田病の診断と治療の指針として利用できる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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