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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻3号

1999年03月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

悪性腫瘍に伴う前房フレア強度の異常

著者: 山田利津子1 渡辺達磨1 栗山茂1 松尾有紀子1 出川慎之1 上野聰樹1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.335 - P.338

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(P1-2-25) 前房フレア強度を21例の患者について経時的に検索した。17例は全身に悪性腫瘍があり,他の4例は前房フレア異常を契機として全身の悪性腫瘍が発見された。検索にはレーザーフレアセル計を使った。サルコイドーシス患者21例と,健康人79例を対照とした。悪性腫瘍群での前房フレア強度は,治療前では持続性に軽度に上昇し,その値は,安定期のサルコイドーシス患者と同程度であった。悪性腫瘍の治療開始後には,前房フレア強度は有意に低下し,その値は,赤血球沈降反応と血清尿酸値の低下に相関していた。前房フレア強度の上昇には,腫瘍の存在またはその破壊に関与する生理活性物質,ないしはこれらと関係した起炎因子の関与による血液房水柵の破壊が関連していることが推定された。前房フレアの上昇は,悪性腫瘍の遠隔効果であるparaneoplastic syndromeの1つとして注目される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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