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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻3号

1999年03月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

巨大な菌塊を呈した涙小管涙嚢瘻

著者: 中井理科1 栃久保哲男1 渡辺博1 小池美香子1 三浦妙太2

所属機関: 1東邦大学医学部第一眼科学教室 2東邦大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.397 - P.399

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(P3-2-12) 巨大な菌塊を呈した涙小管涙嚢瘻の1例(54歳,女性)を経験した。難治性の左眼眼脂で当科を紹介された。左眼下眼瞼結膜内眼角部の発赤,腫脹,下涙小管に一致した皮膚の発赤,硬結があり,涙道通水検査では下涙点は通水不能,逆流,排膿がみられ,涙道造影,エコー検査で涙小管憩室を疑われ,摘出術を行った。術中,涙嚢に及ぶ巨大なmassが摘出され,ブジーにて涙小管から涙嚢への交通が確認された。本症例では,病理学的に確信はできなかったが,おそらく放線菌による涙小管炎から,菌塊を形成しながら涙小管瘻となり,涙嚢と交通したのではないかと考えられ,難治性結膜炎の症例では,放線菌による涙小管炎も念頭におくことが大切と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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