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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻3号

1999年03月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

アクリルレンズ挿入術と緑内障の同時手術後に毛様体水晶体嚢ブロックを生じた1例

著者: 岸本直子1 壺井邦彦1 田邊麻由子1 高橋愛1 福井知恵子1 保倉透1 山岸和矢1 藤本可芳子2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科 2天六フジモト眼科

ページ範囲:P.409 - P.413

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(P4-3-3) 75歳女性が薬物に抵抗する右眼眼圧上昇で受診した。両眼に偽落屑があり,右眼は台形虹彩で,閉塞隅角緑内障と診断した。右眼に水晶体超音波乳化吸引術,アクりルソフトレンズ挿入,隅角線維柱帯切除術を行った。経過は良好で術後7日目に退院した。術後12日目の受診で,極端な浅前房があり,眼圧は36mmHgであった。毛様体水晶体嚢ブロックによる悪性緑内障と診断した。YAGレーザーで瞳孔領の水晶体後嚢と前部硝子体の切開を行ったが,眼内レンズと水晶体嚢が接着したままで,房水は前房に流入しなかった。その18日後,YAGレーザーで虹彩切開部から水晶体前後嚢切開と前部硝子体切開を行った。前房は深くなり,隅角は開大し,眼圧も無治療で12mmHgを維持している。悪性緑内障の危険がある眼にアクリルソフトレンズを挿入するときには,周辺虹彩切除を併用し,悪性緑内障発症後は虹彩切除孔からYAGレーザーによる水晶体嚢切開が有効なことを本例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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