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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻3号

1999年03月発行

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(1)

学会原著

長期間経過観察した網膜剥離術後の交感性眼炎

著者: 二宮久子12 田中稔2

所属機関: 1二宮眼科 2順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院眼科

ページ範囲:P.421 - P.424

文献概要

(P3-1-9) 68歳の男性が左眼の網膜剥離手術を受けた。術式は,網膜下液排液,網膜冷凍凝固,輪状締結術であった。その6か月後に交感性眼炎が両眼に発症し,全身ステロイド薬投与などで5か月後に消炎した。10年後の現在,起交感眼は緑内障のために光覚弁,被交感眼は視力0.7であり,脈絡膜に広範な脱色素がある。HLAは,A11,DR4が陽性である。発症から10年後に行ったインドシアニングリーン螢光造影で,脈絡膜血管からの色素漏出と斑状低螢光が観察された。この所見は,遷延した交感性眼炎では,不可逆的な脈絡膜の循環障害が生じる可能性があることを示している。なお,順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院での術後の交感性眼炎の発症は,手術総数8,970眼中2眼(0.02%),経強膜網膜剥離手術894眼中1眼(0.11%)であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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