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臨床報告
閉塞隅角緑内障を合併した後部強膜炎
著者: 山本憲明1 川合浩之1
所属機関: 1蒲郡市民病院眼科
ページ範囲:P.473 - P.476
文献購入ページに移動 80歳の女性が,右眼に疼痛と眼瞼浮腫を伴った急性閉塞隅角緑内障を発症した。前房は浅く隅角は全周で閉塞していたため,レーザー虹彩切開術を行ったが無効で,術後に著明な結膜浮腫と激しい眼窩深部痛が生じた。眼底には脈絡膜剥離がみられた。超音波検査では眼球後壁の肥厚がみられたが,CTでは眼球後壁の肥厚はわずかであった。MRIでは強膜の肥厚はみられず,脈絡膜とテノン嚢の肥厚がみられた。超音波検査における眼球後壁の肥厚像は本症例では強膜でなく脈絡膜に起因すると考えられた。緑内障発作の1週間後から症状は自然に軽快しはじめた。
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