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特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著
網膜色素上皮裂孔の網膜断層像
著者: 高橋慶1 飯田知弘1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.539 - P.542
文献購入ページに移動(B2-2-14) 特発性の網膜色素上皮裂孔の自然経過を光干渉断層計(OCT)で観察した。症例は61歳の女性。右眼後極部に4×3乳頭径大の色素上皮剥離があり,中心窩を含む耳側半分に半月形の色素上皮裂孔があった。OCTでは,裂孔部は色素上皮の高反射層を欠き,非裂孔部との境界では色素上皮が脈絡膜側に巻き込まれて.厚い高反射層となっていた。色素上皮が欠損した裂孔部では,脈絡膜は深部まで強い反射を示した。色素上皮が翻転した部分では,脈絡膜の反射が著しく減弱していた。約6週間後に色素上皮剥離は復位したが,脈絡膜の強い反射は持続していた。色素上皮裂孔部は5か月後には白色組織に覆われたが.脈絡膜の反射亢進は続いていた。
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