臨床眼科53巻4号

1999年04月発行

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集（2）

学会原著

出産後改善した増殖糖尿病網膜症の1例

著者： 小林恵子¹ 今井雅仁¹ 飯島裕幸¹

所属機関： ¹山梨医科大学眼科学教室

ページ範囲：P.597 - P.600

文献概要

（P1-1-13）　糖尿病未治療の24歳妊婦に単純糖尿病網膜症がみられた。妊娠14週時に前増殖網膜症に進行し，さらに悪化傾向を示したため汎網膜光凝固を行った。その後さらに増殖網膜症に進行し視力低下をきたしたが，出産後，網膜症は軽快し増殖停止網膜症となって安定した。妊娠初期に血糖コントロール不良で網膜症をみた場合は，頻回の眼底精査により光凝固開始時期を見極めることが重要であり，増殖網膜症にまで進行しても出産後は改善しうることが示された。