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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

北九州市内19病院眼科における視覚障害者の実態調査—第3報 視覚障害者の視機能と日常生活状況

著者: 高橋広1

所属機関: 1北九州視覚障害研究会

ページ範囲:P.653 - P.657

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(B6-2-7) 視覚障害者の実態は定かではなく,その実数さえもわからないのが現状である。そこで,北九州市内19病院眼科に通院している視覚障害者の実態調査を行った。1か月間の延べ22,117名の受診者から603名(2.7%)が調査対象となったが,アンケート調査表を配布したのは560名(92.9%〉で,そのうち463名(82.7%)から回答が得られた。約7割の視覚障害者が日常生活上で困難さを訴えており,移動,情報および家事において多くが支障を来していた。移動に関しては8割が不自由を感じており,視力が悪いほど不自由であった。また,情報では4割以上が不自由で,0.1未満群が0.1以上群に対し有意に不自由であった。一方,視野障害の有無では明らかな差はみられなかったが,移動や情報に多くの問題があり.とくに情報に関して統計的に有意であった。求心性狭窄群は中心暗点群に比して有意に単独歩行は困難であったが,使用文字に関しては両群とも約半数が活字も点字も使用できなかった。今回,視覚障害者の多数に日常生活上困難が生じていることが判明し,積極的なロービジョンケアが望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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