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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻4号

1999年04月発行

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

浅側頭動脈—中大脳動脈吻合術が有効であった眼虚血症候群の1例

著者: 大萩豊1 橋本知余美1 徳永英守2 藤田豊久2 松浦豊明3 原嘉昭3 西信元嗣3

所属機関: 1済生会中和病院眼科 2済生会中和病院脳神経外科 3奈良県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.705 - P.708

文献概要

(P3-2-32) 脳梗塞と左眼視力低下で発症した虚血性網膜症に対して,浅側頭動脈—中大脳動脈吻合術(STA—MCA吻合術),椎骨動脈総頸動脈転移術を行い視力,眼底所見の改善を得た1例を経験した。患者は51歳男性,既往歴には糖尿病と胃潰瘍があり,術前,左眼に網膜浮腫と綿花状白斑がみられた。螢光眼底造影では腕—網膜循環時間,眼内循環時間ともに遅延しており,頸動脈造影検査で左内頸動脈の完全閉塞と左椎骨動脈は高度に狭窄していた。術前後で左眼の視力は改善し網膜浮腫,綿花状白斑は減少した。術後約1か月で左眼に網膜斑状出血を生じたが徐々に消退し,約5か月後で左右差はなくなった。螢光眼底造影でも網膜動静脈からの螢光色素の漏出は減少し,手術は有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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