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第52回日本臨床眼科学会専門別研究会1998.10.23神戸
眼先天異常
著者: 玉井信1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.738 - P.740
文献購入ページに移動第一次硝子体過形成遺残(PHPV)の合併症に対する手術例(4例5眼)を報告する。症例1は前房消失をきたした閉塞隅角緑内障でpars plicataから水晶体切除,前部硝子体切除術を施行した。症例2は白内障が数年間で進行したため角膜輪部より水晶体吸引,前部硝子体切除術を施行した。症例3は網膜襞の近傍に発生した網膜剥離で,裂孔は不明であったが眼底がほぼ観察可能であったので,両眼に網膜冷凍凝固,輪状締結術で復位した。症例4は増殖性変化の強い網膜剥離で角膜輪部より水晶体切除,硝子体切除術を施行したが非復位であった。PHPVでは網膜襞の周辺部に硝子体の強い病的変化があることが特徴で,水晶体・硝子体の処理では前方へ牽引された最周辺部網膜への穿刺を避けた経角膜輪部法で対応が可能で,増殖変化が少なく,ある程度眼底の透見可能な網膜剥離には経強膜的方法が望ましいと思われた。
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