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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻4号

1999年04月発行

文献概要

臨床報告

硬口蓋粘膜移植による下眼瞼再建

著者: 大井克之1 野瀬謙介2

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター形成外科 2天理よろづ相談所病院形成外科

ページ範囲:P.755 - P.759

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 7例の下眼瞼全層欠損後の後葉再建に硬口蓋粘膜を用い,良好な結果を得た。硬口蓋粘膜は2.5cm程度のものまでは容易に採取可能であり,止血を十分に行えば特に保護床を装着しなくても術後4週までに上皮化し,ドナーの変形は最小限であった。硬口蓋粘膜は強い支持力を持った粘膜組織であるため,それのみで代用瞼板としての役割を持つ。また厚みや大きさの細工も容易に行え,彎曲の程度も良好で,角膜や眼球結膜への密着性がよい。支持力については健常瞼板や軟骨組織にはやや劣るが,健常瞼板を犠牲にしない点や軟骨組織より細工が容易であることを考慮すると,硬口蓋粘膜は極めて有用な再建材料であるといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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