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臨床報告
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眼感染症のない70歳以上の外来通院患者185例185眼を対象に,結膜嚢内常在菌とその薬剤耐性を検討した。101眼(54.6%)から細菌107株が検出され,93株(86.9%)はグラム陽性球菌であり,グラム陰性菌は7株(6.5%)と少なかった。また,半数以上の菌は薬剤耐性を有し,約20%の菌はキノロン系薬剤に耐性を示した。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は185眼中2眼(1.1%),多剤耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MDRCNS)は3眼(1.6%)から検出された。結膜嚢内常在菌は眼感染症の起因菌となりうることから,抗菌剤の用い方には十分な注意が必要と考えられた。
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