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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

緑内障患者の血清脂質に対する2%カルテオロール点眼の影響

著者: 壺井邦彦1 足立和己1 田邊麻由子1 高橋愛1 福井智恵子1 岸本直子1 山岸和矢1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科

ページ範囲:P.885 - P.888

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(B9-2-4) 2%カルテオロール点眼液の血清脂質に及ぼす影響について,原発開放隅角緑内障の24例48眼について調べた。点眼していたうちβ遮断薬点眼剤のみを2%カルテオロールに変更し,投与後から4週間隔で16週間血清脂質の変化を経時的に観察した。血清脂質は高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C),総コレステロール(TC),トリグリセライド(TG)について測定を行った。その結果,HDL-Cは投与前の値に比較し投与8週目まで有意の上昇をみたが,その後は投与前の値と有意の変化をみなかった。TCはどの時期においても有意の変化をみなかった。TGはどの時期においてもその値は有意に減少していた。眼圧は投与前に比較し有意の変化はなかった。2%カルテオロール点眼は血清中のHDL-C,TCに影響を与えずTGの値を下げることから,高脂血症のある緑内障患者においても安全に使用できると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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