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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

糖尿病黄斑症に対する光凝固の有効性の評価

著者: 大越貴志子1 草野良明1 佐久間敦之1 安田明弘1 四蔵裕実1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.894 - P.898

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(B9-2-22) 糖尿病黄斑症に行った光凝固146例199眼の結果を検討した(平均観察期間は40.9か月)。凝固後1年以内に黄斑部のびまん性浮腫は42.2%,局所浮腫は36.1%の症例で,2段階以上の視力改善が得られた。中心窩外の局所浮腫は凝固後3年で,74%の症例で視力維持または改善が得られた。汎網膜光凝固後の黄斑浮腫に対する光凝固は,びまん性浮腫で49%,局所浮腫で61%の症例で改善が得られた。黄斑凝固の後に汎網膜光凝固を行った症例は改善は少ないものの,視力が維持された。腎障害の高度の症例(尿蛋白++以上)では凝固後の視力低下が有意に多かった。黄斑光凝固は,汎網膜光凝固後の黄斑浮腫に対しては極めて有効である一方,腎障害の程度によっては無効例も多いことが確認された。これらの結果をもとに,黄斑部光凝固の治療適応を決定すべきと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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