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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3)

学会原著

角膜穿孔に対する全層角膜移植術の予後

著者: 後藤広樹1 熊倉重人1 園田靖1 村松隆次1 臼井正彦1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.902 - P.906

文献概要

(C2-3-7) 東京医科大学眼科学教室では過去7年間に穿孔部が広範囲で重篤な角膜穿孔の4例に緊急手術として全層角膜移植術を行った。穿孔した症例はヘルペス性壊死性角膜炎,細菌性角膜潰瘍,重度全身熱傷に合併した角膜熱傷,リウマチ性角膜潰瘍であり,最初の3症例は角膜移植術後であった。穿孔から角膜移植までは4日から16日であった。移植片は1例で術後2年3か月のあいだ透明性を維持し,2例は軽度混濁のみ,1例はヘルペス性角膜内皮炎により水疱性角膜症となった。術後合併症として続発性緑内障が3例に生じた。広範囲な角膜穿孔であっても全層角膜移植により眼球の保存が可能であったが,視機能を保つためには術後に生じる続発性緑内障に対して積極的な治療が必要であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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