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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

硝子体出血を発症した網膜色素変性症を疑った1例

著者: 前谷悟1 岸浩子2 富士本一志3

所属機関: 1前谷眼科 2広島三菱病院眼科 3富士本眼科

ページ範囲:P.939 - P.942

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(P1-2-2) 75歳,男性の片眼に硝子体出血が発症し,超音波検査で腫瘍状陰影が指摘された。硝子体手術を行った結果,腫瘍状陰影は多量の脈絡膜血腫であることがわかり,血腫の周辺部に残存網膜を認めた。血腫除去後周辺部を冷凍凝固し,ガス注入して手術を終えた。術後高眼圧が持続し,視野狭窄ならびに視力低下をきたした。最終矯正視力は0.1であった。網膜が裂けたにもかかわらず網膜剥離をきたさなかったのは,網膜色素変性症様の網脈絡膜の萎縮病変のためと思われた。硝子体出血を伴った原因として,新生血管と無血管帯の関与が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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