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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

網膜中心静脈閉塞症様所見を呈した術後眼内炎の1例

著者: 渡部大介1 山名隆幸1 喜多美穂里12

所属機関: 1滋賀県立成人病センター眼科 2京都大学大学院医学研究科視覚病態学教室

ページ範囲:P.963 - P.966

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(P1-2-37) 白内障術後に非典型的症状を呈した感染性眼内炎の1例を経験した。症例は47歳,男性で,左眼成熟白内障にて超音波乳化吸引術およびfoldable眼内レンズ挿入術を行った。術後1日目の矯正視力は1.2,術後17日目に視力低下・眼痛・頭痛を自覚した。矯正視力は10cm指数弁となっており,眼圧55mmHg,前房は深く,細胞・フレアー著明で茶色羽毛状滲出物がみられたが,前房蓄膿はみられなかった。術後感染性眼内炎を疑い,診断的・治療的硝子体手術を行った。術中眼底には数時間前にはみられなかった網膜中心静脈閉塞症様の網膜斑状出血と白斑が多数みられた。術後,眼内炎の再燃はなく,矯正視力は0.8まで回復し,網膜出血および白斑も消失した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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