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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

特発性網膜血管炎から生じた若年性網膜中心静脈閉塞症の1例

著者: 調枝聡治1 八塚秀人1 松本惣一セルソ1 中塚和夫1

所属機関: 1大分医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.967 - P.970

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(P1-2-38) 症例は24歳男性。左眼の視力低下を自覚して近医を受診した。左網膜中心静脈閉塞症を指摘されたが,その後眼科を受診せず,3か月後硝子体出血を生じて当科を受診した。初診時の視力は右0.1(1.2),左0.01(矯正不能)。眼圧は右15mmHg,左30mmHg。左眼虹彩,隅角ともに新生血管を生じていた。直ちに,硝子体切除術と眼内光凝固術を行ったところ,左眼底下方に黄白色調の滲出物があり,網膜血管炎の存在が推定された。その後,硝子体出血と新生血管緑内障を繰り返し,臼井法,線維柱帯切除術など計4回の手術を行った。若年性網膜中心静脈閉塞症は一般的に予後良好とされるが,本症例は重篤な経過をたどり,眼圧調整に数度の手術を要した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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