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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

特異な螢光眼底造影所見を呈した原田病の1例

著者: 金子志帆1 村田恭啓1 平田憲1 根木昭1

所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1003 - P.1007

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(P3-1-26) 50歳女性が典型的な原田病の眼病変を発症した。プレドニゾロンの全身投与で炎症は5週後に寛解した。薬物中止後炎症が再発した。最後の再発から3週後,すなわち初回発症から5か月後に当科を受診した。両眼眼底に漿液性網膜剥離があり,びまん性の脱色素による夕焼け眼底があった。フルオレセイン螢光造影(FA)でわずかな色素漏出と窓欠損が散在していた。インドシアニングリーン螢光造影(IA)で脈絡膜の造影遅延と低螢光斑があった。特異的な所見として,黄斑と乳頭を含む範囲に背景螢光のブロックがFAとIAに共通してあり,さらに乳頭から放射状に走る低螢光線があった。この所見は網膜色素上皮の過形成と脈絡膜での炎症産物の蓄積を反映するものであり,遷延化した脈絡膜の炎症が網膜深層に波及した結果であると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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