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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

著明な網脈絡膜皺襞と視神経症を伴った甲状腺機能異常性眼症

著者: 冨田一之1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1019 - P.1022

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(P3-2-28) 甲状腺機能亢進症の患者に,著明な網脈絡膜皺襞と視神経症を伴った甲状腺眼症が発症した症例を経験した。視力低下と視野異常を伴っていたため,副腎皮質ステロイド薬の全身投与を開始した。治療とともに視力,視野および眼球突出度は改善した。しかし,網脈絡膜皺襞は,治療開始前と比べ軽度の改善がみられたのみで,治療開始後3か月経過しても症状は持続し,フルオレセインおよびインドシアニングリーン螢光眼底撮影検査でも著明に造影された。本症例の網脈絡膜皺襞は,視力低下をほとんどきたさなかった。また,この皺襞形成は,眼窩内組織の眼球圧迫によるものとは別に,強膜や眼窩内組織の炎症の持続によって形成されたと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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