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第52回日本臨床眼科学会専門別研究会1998.10.23神戸
眼窩
著者: 井上洋一1 田淵昭雄 田邊吉彦
所属機関: 1オリンピア眼科病院
ページ範囲:P.1035 - P.1037
文献購入ページに移動第1席は,34歳女性の症例で,抗生物質抵抗性の右眼窩蜂窩織炎様症状,眼球突出,複視(全方向),視力1.2,視神経乳頭腫脹(マリオット盲点拡大),画像上球後部に境界不鮮明な陰影が認められた。ステロイド投与で著明に改善し,球後の異常陰影が消失した。臨床経過から眼窩炎性偽腫瘍と診断したものであるが,甲状腺眼症や視神経鞘炎の可能性など診断について討論が紛糾した。同様の症例を各施設とも案外経験しているのではないかと思う。
第2席は,1983年から15年間に経験した視神経鞘髄膜腫の手術例(5例)と非手術例(4例),計9例の平均96.9か月の臨床経過を比較検討したもので,手術症例は術後全例に眼瞼下垂と高度の眼球運動障害をきたし,急速な視力低下の傾向があることが報告された。診断ではグリオーマとの鑑別,治療では放射線治療の可能性や手術方法などについて討論があった。腫瘍が視神経管を越えて頭蓋内へ浸潤したものが前頭開頭の手術適応である。
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