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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・152

水晶体と類皮嚢胞

著者: 猪俣孟1 吉富文昭1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1102 - P.1103

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 水晶体と類皮嚢胞demloid cystは発生学的に似たような組織環境にある(図1,2)。それゆえに,水晶体起因性眼内炎lens-induced endophthalmitisの炎症形態と類皮嚢胞の炎症形態は非常によく類似している。
 水晶体は表層外胚葉surface ectodermの一部が水晶体胞lens vesicleを形成して眼杯の前面に嵌入したものである。したがって,水晶体は水晶体細胞の基底膜である水晶体嚢に囲まれて,眼内の間質結合組織である硝子体の前面で,しかもこれも眼内の問質結合組織液である房水中に存在している。水晶体質が水晶体嚢に囲まれて存在している限り,生体は水晶体質に対して異物としての炎症反応を起こさない。しかし,穿孔性眼外傷や内眼手術で水晶体嚢が破嚢するか,もしくは過熟白内障になって水晶体質が間質結合組織である嚢外に流出すると,生体は房水中もしくは硝子体中に出た水晶体質を異物と認識して,眼内に炎症反応を生じる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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