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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(4)

学会原著

広範囲の角膜潰瘍に対する強角膜移植術

著者: 榎美穂1 近間泰一郎1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1213 - P.1217

文献概要

(C2-3-5) 通常の全層角膜移植術が不可能な広範囲の角膜潰瘍3症例に対して,強角膜を一塊として縫着する強角膜移植術を施行した。症例はいずれも潰瘍発症から長期間を経過した,穿孔か角膜ブドウ腫を伴った感染性角膜潰瘍で,本手術により視力は手動弁以下から最良矯正視力0.4から0.8までに改善した。眼圧は2例で術後上昇し,薬物治療を必要とした。フォトケラトスコープではおおむね良好な角膜形状を呈しており,また術後の内皮細胞密度は2,300から2,800cells/mm2を保っていた。シクロスポリンの投与により3症例とも現在まで拒絶反応は認めない。強角膜移植術は広範囲の角膜潰瘍に対する,視力回復を目的とした前眼部再建術の選択肢の1つとなり得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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