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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科53巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

全層角膜移植手術成績

著者: 柳井亮二1 近間泰一郎1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1223 - P.1228

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(C2-3-8) 1996年4月から1997年3月までに山口大学眼科で行った全層角膜移植術41例41眼につき手術成績を検討した。原疾患は水庖性角膜症18眼,角膜白斑8眼,円錐角膜6眼,角膜穿孔6眼,角膜潰瘍2眼,角膜熱傷1眼であった。全症例の角膜透明治癒率は85%(35/41眼)で,疾患別透明治癒率は水疱性角膜症89%(16/18眼),角膜白斑75%(6/8眼),円錐角膜100%(6/6眼),角膜穿孔67%(4/6眼)であった。当科における前回の報告(1993〜1996年)に比べ,水疱性角膜症に対する透明治癒率が改善されていた。この理由として,強角膜片保存角膜を全例使用.ドナー角膜内皮細胞の十分な術前検討,定時手術の増加,手術時間の短縮,手術時の角膜内皮細胞の保護などが考えられた。術後合併症は,拒絶反応5眼,遷延性角膜上皮欠損4眼,続発緑内障3眼,真菌感染症1眼であった。術前から涙液減少がみられた症例で有意に遷延性角膜上皮欠損を多く発症していた。透明治癒が得られなかった症例では,拒絶反応,グラフト機能不全および真菌感染症がみられた。術後最高矯正視力は85%(35/41眼)で改善されていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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